1980年、森進一が大原麗子と結婚したニュースは、当時の日本中を驚愕させた。歌謡曲界のトップスターと、映画・ドラマで絶大な人気を誇る美女のゴールイン。「一卵性夫婦」と自称するほど相思相愛に見えた二人だったが、その生活はわずか4年で幕を閉じることとなる。
離婚の背景にあった最大の理由は、互いの仕事に対する譲れない自負だった。大原麗子は女優業への強い情熱を抱き続け、家庭に入ることだけを求められる生活に息苦しさを感じていたとされる。彼女が残した「男がふたりいた」という語草は、当時の男女関係における仕事観のズレを象徴する言葉として今も語り継がれる。
芸能界という過酷な環境で第一線を生き抜くプロ同士だからこそ生じた決定的な衝突。互いをリスペクトしながらも、共に歩む道を選べなかった二人の決断は、あまりにも切ないものであった。