なぜ彼らは、これほどまでに幅広いジャンルで求められ続けるのか。長年親しまれてきた定番の刑事ドラマにおいては、酸いも甘いも噛み分けたベテランとして作品にリアルな手触りと重厚感をもたらす。犯人を追う眼光の鋭さや、男たちが背負う悲哀を見事に表現できるのは彼らならではの領域だ。
一方で、人生の機微を丁寧に描くヒューマンドラマにおいては、セリフのない静かな間(ま)や微細な表情の変化で観客の涙を誘う。NHKの連続テレビ小説や大河ドラマ、さらには東宝が手がける邦画の大作映画に至るまで、彼らが画面に登場するだけで物語の「格」が一気に跳ね上がる。主役を引き立てつつも、時に作品そのものを食ってしまう名バイプレイヤーとしての美学がそこにはある。