「当然、医者になるものだと思っていた」——かつて身内や関係者がそう語っていたように、幼少期の丸山正悟少年には将来、病院を継ぐという暗黙の期待が寄せられていた。実家の教育方針は厳格そのもので、幼い頃から学業に専念する日々を送っていたという。
しかし、10代半ばで出会ったストリートダンスが彼の運命を決定的に変えた。夜な夜な部屋を抜け出してはステップの練習に打ち込み、やがて「医者ではなくダンスで生きていく」と決意を固める。当然、家族からの激しい反対に直面した。代々続く名門の跡取りが、当時はまだ職業として確立されていなかったダンサーを目指すというのだから、家庭内での摩擦は凄まじいものだった。それでも彼は自身の信念を貫き通し、家を出て単身ダンスの修行に励んだのだった。