大阪市天王寺区で生まれ育った和田アキ子の十代は、波乱万丈そのものでした。恵まれた体格を活かしてミナミの繁華街で喧嘩に明け暮れ、「ミスター・ダイナマイト」の異名を取る不良少女として恐れられていたエピソードは広く知られています。
しかし、大阪のジャズ喫茶で歌っていたところをホリプロダクション(現・ホリプロ)創業者の堀威夫氏にスカウトされ、1968年11月にシングル『星空の孤独』で鮮烈なデビューを飾ります。
1970年には『笑って許して』が大ヒットしてNHK紅白歌合戦に初出場。そして1972年、不朽の名曲『あの鐘を鳴らすのはあなた』で第14回日本レコード大賞歌唱賞を受賞します。ブラックミュージックに深く傾倒した圧倒的なグルーヴ感と魂を揺さぶる歌唱力は、当時の歌謡界に鮮烈な衝撃を与えました。その後も『古い日記』など数多くのヒットチューンを世に送り出し、歌手としての不動の地位を築き上げました。