氷点下の川に墜落した機体から奇跡的に生き残ったのは、わずか6名だった。吹雪の中で繰り広げられたヘリコプターによる命懸けの救出劇は、今も全米の記憶に焼き付いている。救助ロープが投げ降ろされる中、自分の番を何度も他人に譲り続けた男性がいた。それが銀行役員であったアーランド・D・ウィリアムズ・ジュニアである。
自らの身体が氷水に冷やされ、体力が限界に達していることを自覚しながらも、彼は周りの生存者にロープを渡し続けた。ついに全員が引き上げられた時、彼の姿は氷の浮く川面から消えていた。見返りを求めない究極の自己犠牲と勇気は、のちに彼を讃える大橋の名として、ポトマック川に永遠に刻まれることとなった。