コミカルに見える表情のなかに、健康上の重大なSOSが隠されているリスクには最大限の注意を払わなければならない。日本獣医師会や英国を拠点とする国際キャットケア(International Cat Care)などの専門機関は、猫の表情から痛みを読み取る指標「フェライン・グリマス・スケール(FGS)」の重要性を強く啓発している。
口を歪ませて食べにくそうにしていたり、片側の頬だけを引きつらせていたりする場合、歯周病や口内炎による激痛、あるいは神経疾患や眼病が潜んでいる可能性がある。急な嘔吐の前兆として口元を奇妙に動かすこともある。「いつもと違うおかしな顔」をただ笑って動画に収めるだけでなく、その表情が苦痛によるものではないかを冷静に見極めるリテラシーこそ、飼い主にとって最も重要な責任だ。