異変の始まりは、驚くほど静かで目立たない。いつも通りに過ごしているように見えても、よく観察すると片方のまぶただけが小刻みに痙攣していたり、涙で目の周りの毛が濡れていたりする。これらは眼球表面に強い違和感や疼痛が生じている典型的なサインだ。
特に注意すべきは、目頭から現れるピンクや白色の膜、すなわち瞬膜の動きである。通常は瞬きの瞬間にのみ眼球を保護するこの膜が、片目だけ戻らずに露出したままになる「瞬膜突出」は、眼球自体の炎症だけでなく全身性疾患や神経障害のシグナルであることが多い。さらに、透明なサラサラした涙から、粘り気のある黄濁した目やにへと性状が変化した場合、細菌の二次感染や猫ウイルス性鼻気管炎の関与を強く疑う必要がある。違和感を気にして柱やカーペットに顔をこすりつける行動が見られたら、すでに病状は初期段階を越えていると捉えるべきだ。