都市部のオフィスワークとは対極に位置する山中の現場では、気候や自然現象そのものが容赦のない脅威となる。夏の猛暑下では蜂や蛇、アブなどの害虫に晒されながら分厚い防護服を着用しなければならず、冬は積雪や凍結した急斜面で重い機材を担いで登坂する体力が要求される。
現場での安全管理、いわゆる労働安全衛生の意識は近年急速に高まっているものの、自然界の突発的な変化を完全に制御することは不可能だ。豪雨のあとの地盤緩みや、風による枝折れなど、常に死角からのリスクに気を配り続ける精神的緊張感も重くのしかかる。
こうした環境下で自身の身を守り、プロとして生き残るためには、高度な専門技能が不可欠だ。現場で実務経験を積み、国が定める安全教育を修了することで得られる林業作業士などの資格は、作業の安全性を高めるための必須アイテムと言える。しかし、未経験者がそのレベルに到達するまでの数年間、絶え間ない緊張感と体力的な苦痛に耐えかねて離職する例が後を絶たない。