日本語の「すみません」に対応する代表的な韓国語表現といえば、「죄송합니다(チェソンハムニダ)」と「미안합니다(ミアンハムニダ)」の2つだ。一見するとどちらも同じ謝罪の意に見えるが、その根底にある敬意の重みと社会的距離感は明確に異なる。
「チェソンハムニダ」は、漢字で「罪送(죄송)」と書き、直訳すると「恐縮です」「罪深く思います」という非常に深い敬意を込めた丁寧語だ。ビジネスシーンや目上の人に対する謝罪、公的な場、あるいは見知らぬ大人に対して過失を犯した際には、迷わずこれを使うのが鉄則となる。
一方、「ミアンハムニダ」は漢字の「未安(미안)」に由来し、「心が安らかでない」というニュアンスを持つ。これも丁寧な表現ではあるものの、チェソンハムニダに比べるとややフランクで、同僚や後輩、あるいは親しい間柄での丁寧な謝罪に適している。さらに親しい友人や年下に対しては「미안해(ミアネ)」や「미안(ミアン)」とフランクに崩すのが一般的だ。
旅行者が最も失敗しやすいのが、相手との関係性を見誤ることだ。例えば、タクシーの運転手やホテルのスタッフに不注意で迷惑をかけた時、「ミアネヨ」と返してしまうと相手に少し軽薄な印象を与えかねない。迷ったら、よりフォーマルな「チェソンハムニダ」を選択するのが大人のマナーと言えるだろう。