かつて型に沿った美しさを重視した伝統的なスタイルから、現代の競技けん玉は目まぐるしい進化を遂げている。長年にわたりルールと級位制度を守り続けてきた公益社団法人日本けん玉協会の基礎理論を踏まえつつも、新たな自由度をもたらしたのがグローバルけん玉ネットワーク(GLOKEN)の存在だ。代表の窪田保氏らが推進してきたグローバルな競技化は、持ち方の概念そのものを再定義した。
現在、世界の最高峰を決めるけん玉ワールドカップで繰り広げられる技は、かつての常識を遥かに超えている。トッププレーヤーの赤川祐輝選手をはじめとするアスリートたちは、瞬時に持ち方を変える「スワップ」や「フリップ」などのエアリアル技を連発する。彼らが実践する最新テクニックでは、けんの重心をミリ単位で把握し、指先を滑らせるように変化させるハイブリッドグリップが主流だ。けんの皿胴部分に指をかける「ジャグリンググリップ」など、手の平全体を空間センシングのデバイスとして機能させる技法が、2026年現在のプロシーンにおける標準となっている。