トーマス・トゥヘル監督の招聘によって、イングランド代表の戦術アプローチはドラスティックな進化を遂げました。サウスゲート前体制下で見られた慎重な試合運びから一転、インテンシティの高い即時奪還と鋭いポジショナルプレーを融合させたスタイルへと舵を切っています。
基本布陣としてメインに据えられているのは、可変型の「4-2-3-1」です。守備時にはコンパクトな4-4-2のブロックを形成しつつ、攻撃時にはサイドバックがインサイドへ絞る、あるいは片側が3バック気味に変形する流動的なビルドアップを採用。さらに相手の布陣や戦況に応じて、チェルシー時代に欧州を制した「3-4-2-1」へのスイッチも実用段階に入っています。
トゥヘル戦術の肝となるのは、中央でのデュエル強度とトランジションのスピードです。中盤の底に構えるデクラン・ライスをアンカーの軸とし、攻守の切り替え時に一瞬で前線のクオリティを爆発させるダイレクトな崩しが、新体制における最大のストロングポイントとなっています。