医療機関や家庭で使われるホットパックは、加温のメカニズムによって「湿式ホットパック」と「乾式ホットパック」の2種類に大別されます。それぞれの特性と使い分けを把握しておくことが大切です。
■ 湿式ホットパック(ハイドロコレーター療法)
医療施設やリハビリテーション室で標準的に採用されているのが、ハイドロコレーターと呼ばれる専用の加温槽を使用するタイプです。ベントナイトやシリカゲルなどの特殊な鉱物質を詰めたパックを約75〜80℃の熱湯で加温し、水分を含んだ状態で患部に適用します。
湿熱(水蒸気を伴う熱)は乾熱に比べて生体組織への熱伝導率が極めて高く、深部までじんわりと熱が浸透する特徴があります。重度の筋拘縮や関節拘縮の改善において非常に高い威力を誇ります。
■ 乾式ホットパック
水分を伴わず、電気ヒーター、遠赤外線、マイクロ波、または電子レンジで加熱した保熱材を用いるタイプです。家庭用として普及している温熱ベルトや小豆(あずき)パック、ジェルパックの多くがこれに該当します。
水分管理が不要で衛生的かつ手軽に扱える利点があり、在宅医療や日々のセルフケアに最適です。近年では温度調整機能や自動オフタイマーを備えた製品も登場し、安全性が向上しています。