「すち子」をめぐる情報が錯綜する中で、事実として確認されていないにもかかわらず、あたかも真実のように語られている言説が少なくとも3つある。編集部ではこれらを「誤情報リスクが高い」と判断し、読者に注意を促したい。
誤解1:「すち子は元アイドルで、過去の動画が流出している」──過去動画とされるものは、すべて別の人物の映像を無断転載したものか、AI生成による合成である可能性が高い。少なくとも流出元として挙げられている複数のURLは、いずれも2026年に入ってから作成されたアカウントが投稿元だった。
誤解2:「すち子は特定の実在人物を指す隠語であり、本人が訴訟を起こした」──この噂は2026年5月に一気に広まったが、関連する裁判所の公示や弁護士事務所の発表は一切確認できない。おそらく「正体が知りたい」という欲求が生み出した願望的ストーリーだろう。
誤解3:「すち子は企業の販促キャラクターとして作られた」──一部で「大手飲料メーカーが関与」という書き込みが見られるが、該当企業に取材した報道はなく、公式発表もない。現段階では根拠のない憶測と判断するのが妥当だ。
とはいえ、こうした誤解の広がり自体が「すち子」という存在の正体を物語っている。つまり、すち子は特定の誰かではなく、「正体不明であり続けること」を原動力として肥大化する集合幻想なのだ。この構造は、過去の「くねくね」「きさらぎ駅」「八尺様」などのネット怪談・都市伝説と酷似している。