医療現場の問診やSNSのコミュニティで頻繁に語られるのが、「鼻から前に出ずに喉の奥に落ちて張り付く」「朝起きると鼻と喉の間にゼリー状の透明な塊がへばりついている」という切実な声です。
鼻水が前に出ず喉へと流れていく現象を専門用語で後鼻漏(こうびろう)と呼びます。健康な状態でも微量の鼻水は無意識に喉へと流れて飲み込まれていますが、鼻水がネバネバして粘度が高くなると、喉の粘膜を通過する際に引っかかりを感じ、異物感や咳払い(エヘン虫)、咽頭痛を引き起こします。
また、鼻水がネバネバした塊として排出される理由には、睡眠中の口呼吸や鼻腔内の空気循環が関係しています。睡眠中に鼻づまりから口呼吸になると、鼻腔内の湿度が著しく低下します。すると、分泌されたムチンが急速に水分を失って乾燥し、弾力のあるゼリー状やグミ状の塊へと凝縮されます。これが起床時に強く鼻をすすったりかんいだりした際に、塊となって出てくるのです。
さらに見逃せないのが、初期の副鼻腔炎における鼻水の性状です。「副鼻腔炎=黄色い鼻水」というイメージが定着していますが、ウイルス性やアレルギー性の急性副鼻腔炎の初期段階では、副鼻腔(鼻の周囲にある空洞)の換気孔が詰まり、透明で極めて粘り気の強い粘液が貯留することがあります。この段階で適切なケアを行わないと、二次的な細菌感染を招き、膿性の黄色い鼻水へと悪化するリスクを孕んでいます。