過眠症状を抱える患者への取材や当事者コミュニティの告白録を検証すると、共通して浮き彫りになるのは「周囲からの無理解と偏見」という深い精神的負担です。「やる気がない」「前夜夜更かししているだけだ」と決めつけられ、職場や教育現場で孤立し、うつ状態を二次的に併発するケースが後を絶ちません。
しかし、近年の睡眠医学の進歩に伴い、過眠症の最新治療法は飛躍的に進化しています。睡眠時無呼吸症候群に対しては、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)の機器が小型化・静音化し、適切な装着によって劇的な日中のQOL向上が実証されています。ナルコレプシーや特発性過眠症に対しても、中枢神経刺激薬(モダフィニル等)に加え、オレキシン受容体に関連する新薬や新規作用機序を持つ覚醒促進薬の開発・臨床導入が着実に進んでいます。「病気であることを医師の診断書によって確定させ、適切な処方を受けること」が、本人の自責の念を解き、周囲の協力を得るための決定打となります。