天神祭が他の花火大会と一線を画す最大の理由は、「火と水の祭典」と呼ばれるように、水上神事と花火が一体となって進行する点にあります。本宮(7月25日)のスケジュールは極めて緻密に組み立てられていました。
午後3時30分、大阪天満宮を出発する「陸渡御(りくとぎょ)」から儀礼は始まります。神輿や催太鼓(もよおしだいこ)を含む総勢3,000人の行列が天神橋筋商店街周辺を練り歩き、午後6時頃に天神橋・天満橋の乗船場へ到着。そこから約100隻の船が篝火(かがりび)を灯して大川を行き交う「船渡御」へと移行します。
午後7時30分、水面を行く船の鳴り物と「大阪締め(手打ち)」の響きに呼応するように奉納花火の打ち上げがスタート。最大の見どころは、天神祭特有のオリジナル花火「紅梅(こうばい)」です。菅原道真公ゆかりの梅を模した紅色の光が漆黒の空に咲き誇り、水面に映り込む光景は息をのむ美しさでした。船渡御のすれ違いざまに交わされる「打ーちましょ、もひとつせ、祝うて三度」という威勢の良い手打ちのリズムと、連続スターマインの重低音がシンクロする瞬間こそが、この祭りの真骨頂です。