彼女の若き日の代表作として外せないのが、映画『男はつらいよ』シリーズへの出演です。第5作『男はつらいよ 望郷篇』でマドンナ・三浦節子役を演じた彼女は、渥美清演じる寅次郎だけでなく、映画館に足を運んだすべての観客のハートを射抜きました。
下町の理髪店で働く健気で美しい女性を、長山は実に見事に演じきりました。単に着飾った美しさではなく、生活の匂いや人間味を感じさせるリアリティ。これこそが、彼女が単なる「流行の美人」で終わらなかった最大の理由です。スクリーンの中で見せる屈託のない笑顔と、ふとした瞬間の寂しげな表情のギャップは、今見ても胸が締め付けられるほどの引力を持っています。