住宅周辺で見かける小型の生き物として、カナヘビやトカゲに加えて「ヤモリ」や「イモリ」も頻繁に混同されます。しかし、生物分類学上、これらは根本から異なるグループに属しています。
まず大きな境界線となるのが、「爬虫類」か「両生類」かという点です。
ニホンヤモリ(爬虫類)は、夜行性で人家の壁や窓ガラスに張り付いて明かりに集まる害虫を捕食します。足の裏に無数の微細な毛からなる「指下板(しかばん)」を持ち、垂直なガラス面でも自由に歩行できます。体表はやわらかく、まぶたがないため舌で目を舐めて潤す仕草を見せます。
一方のアカハライモリ(両生類)は、カエルと同じ両生類であり、水田や小川、池などの水辺およびその周辺の湿地に生息します。皮膚は常に湿っており鱗はありません。最大の特徴はお腹が鮮烈な赤色(警戒色)であることで、体内にはフグ毒と同じ強力な神経毒「テトロドトキシン」を含んでいるため、素手で触った後は必ず念入りな手洗いが必要です。
これに対し、カナヘビとトカゲは昼行性の爬虫類であり、水中に潜ることはなく、ガラス面を吸着歩行することもありません。生息域と活動時間帯を把握していれば、混同することはまずありません。