2009年の10周年記念ツアーを経て、名実ともに日本のトップエンターテイナーへと登りつめた嵐。その勢いを決定づけたのが、アルバム『僕の見ている風景』を携えて行われた嵐 10-11ツアー 経緯と詳細まとめに見る巨大プロジェクトでした。2010年8月21日の旧国立霞ヶ丘競技場を皮切りにスタートした本ツアーは、同一アーティストによる国立競技場での4日間開催という前人未到の記録を樹立。当時の報道や公式発表資料が示す通り、チケット倍率は数十倍とも囁かれ、プラチナチケットを手にした延べ86万人がその熱気に酔いしれました。
本作の凄みは、単なる動員規模にとどまりません。最大の魅力は「アルバムの世界観を視覚と体感へと昇華させた構成力」にあります。アルバムのオープニングを飾る『movin' on』で幕を開け、巨大な可動式ムービングステージや噴水、ウォータースクリーンといった最先端の舞台技術を惜しみなく投入。夕暮れから星空へと移ろう屋外の自然光すらも計算に入れたセットリストは、観客一人ひとりに「自分たちだけの風景」を強く印象づけました。
当時の音楽雑誌やドキュメンタリー番組のインタビューにおいて、メンバーが「5人とファンが見ている景色を共有したい」と語った通り、巨大スタジアムでありながら驚くほど親密な空気感を生み出す演出手法は、現代のスタジアムライブにおけるプロトタイプを確立したと言えます。