現在のアクアシアターを訪れると、あの重苦しい事件が遠い過去の出来事であったかのような錯覚を覚えます。すり鉢状になった観覧席に腰を下ろすと、視界いっぱいに広がる濃紺の世界を、紡錘形の引き締まった魚体が銀色の光条を放ちながら滑空していきます。
現場を訪れた来園者たちのリアルな声からも、その復活への驚きと感動が伝わってきます。
「大量死のニュースをテレビで見ていた世代なので、水槽いっぱいに群れて泳ぐ今の姿を見て涙が出そうになった。これだけの数を維持する飼育員さんのプレッシャーは想像を絶する」(30代・家族連れ)
「平日の午後、アクアシアターの最前列で座っていると、マグロがターンするたびに低く重い水鳴りが聞こえてくる。息を呑むような大迫力」(20代・カップル)
「14時30分のエサやり時間は絶対に見るべき。それまで規則正しく回遊していた群れが、水面に餌が投げ込まれた瞬間に野生の獣のように豹変する」(40代・リピーター)
とりわけ注目すべきは「エサやり(給餌解説)」の時間です。飼育スタッフが上部デッキからアジやイカナゴ、イカの切り身などを投入すると、それまで一定のペースで周回していたマグロたちが一変。海中を切り裂く魚雷のようなスピードで水面へと突進し、捕食の瞬間には「バシャッ!」という激しい水柱が立ち上ります。静かな回遊から一瞬にして野性の捕食行動へと切り替わるコントラストは、映像では決して味わえない現場ならではの圧倒的体験です。