実際に消費者が直売所へ足を運ぶメリットは、味覚の鮮烈さだけにとどまりません。コストパフォーマンスや手に入る品種の多様性においても、一般流通とは決定的な隔たりが存在します。
東西の二大ブランドである「とちおとめ」と「あまおう」を産直比較してみても、その違いは顕著です。栃木県産のとちおとめは、直売所で購入すると果皮がピンと張り、甘酸のバランスがシャープに際立ちます。一方、福岡県特産のあまおうは、久留米市や糸島市などの産直ルートで購入すると、市場流通品よりも一回り大粒で、赤みが深紅に染まった濃厚な果汁を堪能できます。
また、いちご直売所が安い理由の根幹には、JAの共選場を通す際の手数料、仲卸マージン、長距離トラックの資材・燃料費が一切かからない構造があります。さらに、形が少し不揃いだったり、先端が平らになったりしただけの「規格外品」が、通常価格の3〜5割引きという破格の相場で直売コーナーに並ぶため、地元住民やリピーターにとって手放せない存在となっています。