それでは、私たちが安全にパフォーマンスを高めるための「絶対防衛ライン」はどこにあるのでしょうか。基準となるのが、国内外の保健機関が公表している客観的な摂取基準です。
日本の厚生労働省カフェイン摂取目安に関する指針では、日本独自の明確な上限値設定はされていないものの、世界保健機関(WHO)や欧州食品安全機関(EFSA)、カナダ保健省(Health Canada)などの信頼性の高い国際基準を広く紹介しています。それらの公的機関が一致して定めている成人の安全基準は、「1日あたりのカフェイン摂取量を最大400mgまで」、かつ「1回の単回摂取量を200mg以下(体重1kgあたり約3mg)」に抑えることです。
この公的数値をベースに考えると、モンスター1日何本まで許容されるのかという問いの答えは明快です。
- モンスターエナジー(355ml缶・カフェイン142mg)の場合:理論上は「1日2本(計284mg)」までであれば、国際基準の400mg以内に収まります。
- しかし、現実的な推奨ラインは「1日1本まで」:日常の食事にはコーヒー、緑茶、紅茶、コーラ、チョコレートなど、知らず知らずのうちに摂取しているカフェインが多数存在します。これらとの合算を考慮すれば、モンスターの摂取は1日1本に留めるのが鉄則です。
また、体格が未発達な中高生や体重の軽い若年層、さらにカフェインの代謝能力が大幅に低下する妊婦・授乳中の方は、成人と同列に考えてはなりません。カナダ保健省の基準では、10歳〜12歳の子どもの上限は1日あたりわずか85mg。つまり、小中学生がモンスターを1缶飲み干すだけで、国際基準の上限を大幅にオーバーしてしまうのです。