2016年に開催された「G7伊勢志摩サミット」から歳月が経過した現在、舞台となった賢島および志摩観光ホテルはどう変化したのでしょうか。現地を取材すると、サミットのレガシーが一過性のブームに終わることなく、極めて上質な「知性ある観光空間」として昇華されている姿が浮かび上がります。
志摩観光ホテル ザ クラシック内には、当時のサミット首脳陣が実際に使用した円卓や芳名録、各国首脳が並んで撮影された庭園のフォトスポットが綺麗に保存公開されています。しかし、それ以上に注目すべきは料理の進化です。
当時、ワーキングディナーで各国首脳を唸らせた樋口宏江総料理長が率いるレストランでは、アワビや伊勢海老、松阪牛といった最高級素材を、クラシックな伝統技法を守りつつ現代的な軽やかさへと再解釈したコースが提供され続けています。「サミットの首脳が味わった歴史の瞬間に立ち会う」という知的なストーリーテリングが、国内の記念日利用や海外の富裕層トラベラーの心を掴んで離しません。
賢島駅周辺も、かつての昭和レトロな港町の風情を残しながら、サミット記念館(サミエール)の整備や遊覧船の modern リニューアルが進み、静かに落ち着いて散策できる「大人のサンクチュアリ」としての地位を確立しています。