1980年代初頭、日本の音楽シーンはポップスやニューミュージックが主流を占めていた。そのただ中に突如現れたのが、妖艶なルックスと鋭利なギターサウンドを兼ね備えた男だった。デヴィッド・ボウイやT・レックスといった英国カルチャーの洗礼を受けたそのスタイルは、当時の邦楽ロック界において極めて前衛的だった。
メジャーデビュー後、ワーナーパイオニアなどの名門レーベルから作品を発表し、日本コロムビア期にかけて洗練されていった楽曲群は、まさにグラムロックの日本的昇華と言える。代表曲「ペントハウスのヴィーナス」に象徴されるアーバンかつ退廃的な世界観は、当時の歌謡曲ともハードロックとも異なる独自のポジションを確立。ルックスばかりが取り沙汰されがちだったが、その本質は妥協を排した真摯な音作りにあった。