五月みどりの名を日本全国津々浦々に轟かせたのは、1960年代初頭から連発されたお色気歌謡の大ヒットでした。1958年にデビューした彼女は、1961年の『おひまなら来てね』で一躍脚光を浴びます。甘えるようなウィスパーボイスと意味深な歌詞、そして三味線を爪弾きながら見せる悩殺的な流し目は、当時の男性ファンを文字通り骨抜きにしました。
続く1963年には『一週間に十日来い』をヒットさせ、1964年には和田弘とマヒナスターズとのデュエットによる『お座敷小唄』が空前のブームを巻き起こします。同曲はレコード売上300万枚以上とも公称され、宴席から家庭の茶の間まで日本中で歌い継がれる国民的アンセムとなりました。
この爆発的な人気を証明するのが、歌手にとって最高の栄誉であるNHK紅白歌合戦への出場歴です。五月みどりは1962年(第13回)、1963年(第14回)、1964年(第15回)と3年連続でNHK紅白歌合戦に出場。当時の紅白は視聴率80%台を記録していた怪物番組であり、そこへ3年連続で堂々と選出された事実は、彼女が単なる「お色気枠」にとどまらず、確かな歌唱力と国民的人気を兼ね備えた正真正銘のトップスターであった動かぬ証左です。