木瀬部屋親方の現在と激動の真相!閉鎖から再興宇良を育てた育成術

木瀬部屋親方の現在と激動の真相!閉鎖から再興宇良を育てた育成術

木瀬部屋親方の現在と激動の真相!閉鎖から再興宇良を育てた育成術の全貌を詳しく解説してご紹介します。

順調に見えた木瀬部屋の歴史において、最大の転落劇となったのが2010年5月の部屋閉鎖処分でした。事の発端は、2009年5月場所において木瀬親方が指定暴力団・山口組系幹部らに対し、土俵近くの維持員席(いわゆる砂かぶり席)の入場券を手配していた事実が警視庁の調べによって発覚したことです。

日本相撲協会コンプライアンス委員会による調査を経て、協会は木瀬親方に対して「委員から平年寄への降格」と同時に「木瀬部屋の閉鎖処分」という極めて重い懲戒処分を下しました。独立して築き上げた城を失い、当時在籍していた弟子全員とともに元横綱・北の湖が率いる北の湖部屋へ預かり移籍となる前代未聞の事態に発展したのです。

当時、現場を取材していた担当記者の証言によると、閉鎖が決まった日の木瀬親方は沈痛な面持ちで弟子たち一人ひとりに頭を下げ、「すべては私の不徳の致すところ。お前たちには迷惑をかけて本当に申し訳ない」と声を詰まらせていたといいます。しかし、ここで師弟の絆は千切れませんでした。北の湖親方の温かい庇護のもと、木瀬親方は裏方に徹して黙々と稽古場に立ち続け、弟子たちもまた師匠を信じて誰一人髷を切ることなく稽古に打ち込んだのです。

処分の期間中、謹慎と真摯な反省の姿勢を貫き通したことが協会幹部や審判部から高く評価され、2012年4月の理事会にて満場一致で部屋の再興が承認されました。相撲史において一度閉鎖された部屋が元の親方のもとで再興を認められた例は極めて異例であり、師匠と弟子が一体となって失われた信頼を土俵上の誠実さで取り戻した象徴的な出来事となりました。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。