パナソニック汐留美術館が数ある都内の美術館の中で独自の存在感を放ち続ける背景には、明確な3つの構造的強みがあります。
第1の理由は、約260点におよぶ世界有数の「ジョルジュ・ルオー」コレクションの存在です。フランスの孤高の画家ジョルジュ・ルオーの油彩画、版画、ステンドグラス試作品などを体系的に所蔵しており、館内の「ルオー・ギャラリー」では常時その精緻な名品を鑑賞できます。学芸員の手記や研究資料によると、パナソニックの創業者・松下幸之助がルオーの人間愛に満ちた芸術観に深く共鳴したことが収集の原点とされており、企業理念と直結したコレクションだからこその重厚な説得力があります。
第2の理由は、「生活と芸術の融合」を掲げた建築・住まい・デザイン分野の鋭いキュレーションです。大規模な国立美術館では拾い上げにくい、北欧デザイン、モダン建築の巨匠たち、日本の近現代工芸といったテーマを緻密に掘り下げ、空間デザインそのものにこだわった展示構成が毎回大きな話題を呼びます。
第3の理由は、パナソニックならではの最先端照明技術(Museum Solutions)を駆使した展示空間です。演色性に優れた専用LED照明が作品の微妙な筆致や絵の具の重なり、テクスチャーをありのままに再現。美術愛好家からは「絵画の色彩が驚くほど鮮明に浮かび上がる」と絶賛されています。