そもそも、ピンク色でユーモラスな風貌をしたビンボンとは何者だったのでしょうか。ディズニー公式サイトのキャラクター解説および劇中設定によると、ビンボンはライリーが3歳のころに無意識に生み出した「空想上のともだち(イマジナリーフレンド)」です。
ライリーが幼少期に大好きだった要素を無邪気に掛け合わせた結果、以下のような独特のハイブリッド造形が完成しました。
- ベースの体:ふわふわのピンク色の「綿あめ(コットンキャンディ)」
- 鼻:どんな音でも吹き鳴らすことができる「ゾウの鼻」
- 尻尾:ふさふさとした縞模様の「ネコのしっぽ」
- 鳴き声:驚いたり喜んだりしたときに発する「イルカの声」
- 涙:悲しくて泣いたときに目からこぼれ落ちる「包み紙付きのハードキャンディ」
子どもが持つ自由奔放な想像力がそのまま形になったような存在であり、司令部の棚の奥に忘れ去られながらも、彼はいつかライリーが再び自分を思い出してくれる日を信じて、精神世界の中を放浪していました。
日本語吹き替え版の歌と佐藤二朗の名演が生んだリアリティ
作中で重要な推進力となる「ビンボンの歌(日本語版)」は、耳に残るキャッチーなリズムでありながら、終盤では涙を誘うトリガーへと変貌します。
【ビンボンの歌・日本語歌詞】
「誰が友だち? ビンボン、ビンボン!
えんとつロケットで ひとっ飛び ビンボン、ビンボン!
歌を歌おう ビンボン、ビンボン!
楽しい仲間だ ビンボン、ビンボン!」
原語版(英語)ではベテラン俳優リチャード・カインドが演じ、哀愁と陽気さが同居する演技が高く評価されましたが、日本語吹き替え版を担当した俳優・佐藤二朗の演技も絶賛を浴びました。
当時、佐藤二朗はバラエティやドラマで見せるコミカルな個性だけでなく、どこか頼りなく、しかし不器用なほど純粋な温かみをビンボンの声に注ぎ込みました。声優発表当初に一部で囁かれた「タレント起用への懸念」を完全に払拭し、終盤の別れの台詞に至っては、劇場内の大人の観客から嗚咽が漏れるほどの説得力を生み出しました。