嵐のセットリストの多様性を語る上で、対極に位置しながらも双璧をなすのがファン投票によって選曲された『アラフェス』と、極めて高度な音楽的実験に挑んだ『untitled』です。
2012年および2013年に国立競技場で開催された『アラフェス』は、シングル曲・カップリング曲・アルバム曲・ソロ曲の4部門でファン投票を実施し、その上位曲を中心にセットリストを構築するという画期的な試みでした。ここで驚くべき結果を残したのが、シングル『Happiness』のカップリング曲である「Still...」や、アルバム『ARASHIC』収録の「CARNIVAL NIGHT part2」、そしてGReeeeN提供の「エネルギーソング〜絶好調超!!!!〜」です。テレビの音楽番組では滅多に披露されない楽曲がファンの圧倒的支持によって神曲として認知され、セットリストの中心に据えられたことは、アーティストとファンの双方向の絆が生み出したエンターテインメントの理想形と評されました。
一方、2017年から2018年にかけて開催された『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』では、「未完成」「挑戦」をテーマに掲げ、従来の嵐のライブ様式美を大胆に再構築しました。象徴的だったのが、メンバー2〜3人によるユニット曲(「夜の影」「バズりNIGHT」「UB」「Come Back」)の導入と、中盤に配置された13分を超える組曲「Song for you」です。「Song for you」からアルバムリード曲「『未完』」へと雪崩れ込む展開は、オーケストラサウンドとミュージカル調の演出、そして超巨大LEDビジョンが見事に連動し、観客を圧倒的な没入感へと誘いました。このセットリストは、王道のアイドルポップスを超越した総合舞台芸術としての評価を決定づけました。