表面上は何の変哲もない道路が、なぜ突如として底抜けを起こしたのか。専門家による現地調査や関係省庁の報告から、事故の決定的な引き金となった構造的要因が浮き彫りになってきました。
最大の要因は、道路の地下深くに埋設されていた下水道管の経年劣化です。高度経済成長期に集中的に整備されたコンクリート製の下水管や排水暗渠は、敷設から40〜50年を超えて耐用年数の限界を迎えています。管の継ぎ目の緩みや、硫化水素に起因する内壁の腐食によって亀裂が生じると、そこから周囲の土砂が長期間にわたって管内へと少しずつ吸い出されていきます。
土砂が失われた地中には、時間の経過とともに徐々に「地下空洞」が形成されます。上部のアスファルト舗装がアーチ状の強度(シェル構造)を保っている間は路面の形状が維持されますが、重量のあるトラックが通過した瞬間、耐荷重の限界を超えて一気に崩落を引き起こします。豪雨時の地下水位の急激な変動や周辺工事による地盤の緩みも、この空洞拡大を加速させる決定打となりました。