インターネット上の掲示板やSNSでは、弘道会や山口組について「莫大な裏資金を自由に動かしている」「警察も手を出せない裏社会の支配者」といった過剰な都市伝説が散見されます。しかし、現代の法執行と実態はそうした虚像とは大きく乖離しています。
誤解1:現在も大規模な資金獲得活動が自由に行われている
現実には、全国の都道府県で施行されている暴力団排除条例により、暴力団員は銀行口座の開設、クレジットカードの作成、賃貸住宅の契約、携帯電話の本人名義契約が一切できません。さらに、取引先が暴力団員と判明した企業は「密接交際者」として公表されるリスクを負うため、正当な商取引から完全に締め出されています。経済的基盤は極めて脆弱化しており、下部組織ほど困窮化が進んでいるのが現場の真実です。
誤解2:名古屋本部に組員が結集して大規模な指示系統を維持している
特定抗争指定暴力団に指定されている現在、警戒区域内(名古屋市や神戸市など)の組事務所の使用は原則禁止されており、5人以上の組員が集まるだけで即座に逮捕される法的リスクを抱えています。そのため、映画のように幹部が一堂に会して盃事を執り行ったり、定例会を開いたりする光景は物理的に不可能です。指示伝達の遅延や組織網の分断は深刻な課題となっています。