事件直前における山上被告の動向を読み解く上で、Twitterの最後の書き込みと、岡山市のフリージャーナリスト・米本登喜彦氏へ宛てた「直筆の手紙」は極めて重大な一次資料です。
Twitterにおける最後の投稿は、事件の数日前に他ユーザーの投稿にリプライする形で行われた日常的かつ冷淡なものでした。犯行を予告するような直接的な文言は避けられていたものの、教団に対する社会の無関心や、自身の人生に対する諦観が滲み出ていました。
一方で、犯行前日の7月7日に投函された米本氏宛ての手紙には、生々しい本音が記されていました。そこには「安倍は本来の敵ではない。あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎない」と明記されており、政治的信条に基づく暗殺ではなく、教団に致命的な社会的ダメージを与えるための手段として安倍元首相を標的に選んだという冷酷な論理が展開されていました。この手紙の存在は、ネット上での感情的な書き込みとは一線を画す、被告の計算された計画性を如実に物語っています。