大邱の現場と、インターネット空間における世論の間には、驚くほどの温度差が存在します。現地取材で見えてきたリアルな空気感を検証します。
大邱私邸が位置する地域は、釈放直後こそ全国から熱狂的な保守派支持者やYouTuberが押し寄せ、お祭り騒ぎの様相を呈していました。しかし現在、現地住民の感情は「静かな共存」へと落ち着きを見せています。地元商店街の店主は次のように語ります。
「退院当初は家の前に大型バスが何台も止まり大変でしたが、今は本当に静かです。彼女は国家のために生きて、裏切られ、あまりにも過酷な罰を受けました。政治的な是非はともかく、故郷である大邱で静かに天寿を全うしてほしいというのが、多くの地元民の本音です」(大邱市達城郡・60代自営業男性)
これに対し、韓国の若年層やネットコミュニティ(DC Inside、Ruliwebなど)の論調は依然として冷徹です。「国政を私物化した責任は恩赦されたからといって消えるわけではない」「国家の品位を失墜させた事実を美化してはならない」といった厳しい批判が今なお書き込まれています。同情とノスタルジーを抱く高齢保守層と、冷徹な法治主義と倫理観を突きつける若い世代の間で、朴槿恵という政治家の評価はいまだ二極化したままです。