安楽死の費用総額とスイス渡航の内訳|日本人の審査条件を徹底検証

安楽死の費用総額とスイス渡航の内訳|日本人の審査条件を徹底検証

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日本国内で議論が混同されがちなのが「安楽死」と「尊厳死」の法的位置づけです。この2つは医療的・法的に明確な境界線が存在します。

「尊厳死(消極的安楽死)」とは、回復の見込みがない終末期の患者に対し、人工呼吸器の装着や人工栄養補給などの過剰な延命治療を開始しない、または差し控えて自然な死を迎える行為を指します。日本国内においても、日本救急医学会などのガイドラインに基づき、本人の事前指示書(リビングウィル)や家族の合意のもとで日常的に行われています。

対照的に「積極的安楽死・医師幇助自殺」は、薬物投与などによって人為的に死期を早める行為です。日本の現行法において安楽死を認める法律は一切存在せず、実行に関与した者は刑法第202条の「自殺関与及び同意殺人罪」により懲役刑の対象となります。

では、なぜスイスでは外国人の幇助自殺が許容されているのでしょうか。その法的根拠はスイス刑法第115条にあります。同条文は「利己的な動機(遺産目当てなど)がない限り、他者の自殺を幇助した者を罰しない」と規定しています。つまり、利己的動機を排除した非営利団体が人道的な観点から支援する限り、法的に不可罰となる法解釈が確立されているのです。

ただし、誰でも受け入れられるわけではありません。スイス各団体が設ける「安楽死 審査 基準」は極めて厳密です。

  • 回復不能な疾患:終末期のがん、進行性の神経難病(ALSなど)で治癒の見込みが完全に絶たれていること。
  • 耐え難い苦痛:現代の緩和ケアを施してもコントロール不能な激痛や身体機能の喪失があること。
  • 明晰な判断能力(意思決定能力):認知症や重度の精神疾患による判断力低下がなく、自らの死を論理的に選択できる健全な精神状態であること。

審査では、日本の主治医による診断書のみならず、スイス現地の独立した鑑定医が面談を行い、本人が第三者から強要されていないか、うつ病などの一時的な精神症状に起因していないかを厳しく判定します。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。