品川区東品川のウォーターフロント開発を象徴するこのタワーは、1996年3月の竣工以来、四半世紀にわたり「天王洲JTBビル」として日本の観光産業の中枢を担ってきました。地上27階・地下2階、延床面積約6万5,000平方メートルを超える堂々たるスケールは、バブル崩壊後のオフィス建築でありながら、優れた耐震性能とゆとりある設計思想を色濃く反映しています。
転機が訪れたのは2021年。感染症拡大に伴う観光産業の打撃を受けたJTBグループが、財務体質強化と資産効率化のため本社ビルを不動産ファンド等へ売却することを決定しました。当時は「天王洲のシンボルが失われるのではないか」と業界内外に動揺が走ったものの、不動産投資市場においては「天王洲オーシャンスクエア」としてのリブランディングプロジェクトが電撃的にスタートしたのです。
改修プロジェクトでは、単一企業の本社ビル仕様から、多様なワークスタイルに対応する「ハイブリッド型マルチテナントオフィス」への転換が図られました。共用フロアのリフレッシュ、最新のセキュリティシステムの導入、省エネ性能の向上など、築年数を感じさせない機能強化が施され、現在では品川エリアを代表する優良アセットとして確固たる地位を築いています。