肩が痛くて眠れない夜の正体|四十肩と腱板断裂の違いと楽な寝方

肩が痛くて眠れない夜の正体|四十肩と腱板断裂の違いと楽な寝方

肩が痛くて眠れない夜の正体|四十肩と腱板断裂の違いと楽な寝方の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

昼間はそれほど気にならないのに、なぜ布団に入ると我慢できない激痛が襲ってくるのでしょうか。この現象には、人体構造上の力学的変化と循環器系の生理反応が深く関わっています。

立っているときや椅子に座っているとき、腕の重み(成人で約3〜4kg)によって腕の骨である上腕骨は自然と下方へ牽引され、肩関節に適度な隙間が保たれます。ところが仰向けに横たわると、重力による下向きの牽引が消失します。その結果、脱力した腕の重みで上腕骨頭が後方へ落ち込み、炎症を起こしている関節包や腱板を挟み込んで強い内圧を発生させるのです。これが「五十肩で寝られない原因」として整形外科の臨床で指摘されるバイオメカニクスの破綻です。

加えて、睡眠中は副交感神経が優位になり、全身の血圧や心拍数が低下します。肩関節周囲の微小血管も血流が滞りやすくなり、酸素が不足した筋肉や腱の組織内に発痛物質(ブラジキニンやプロスタグランジンなど)が急速に滞留します。この局所的な虚血と酸欠状態が、就寝後1〜2時間ほど経過したタイミングで耐えがたい疼きへと変化します。

無意識の寝返りで肩が痛い理由もここにあります。寝返りによって炎症部位へ瞬間的にねじれや体重負荷が加わり、防衛反応として周囲のインナーマッスルが強く攣縮(スパズム)を起こすことで、激しい痛みとともに目が覚めてしまいます。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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