その胸痛、ただの疲れ?心臓病の初期症状チェックと受診の分水嶺

その胸痛、ただの疲れ?心臓病の初期症状チェックと受診の分水嶺

その胸痛、ただの疲れ?心臓病の初期症状チェックと受診の分水嶺の真相について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

インターネット上の医療相談掲示板やSNS上では、次のような深刻な告白が日常的に散見されます。
「会社の健康診断で心電図A判定をもらったわずか2週間後、早朝の激痛で倒れ緊急カテーテル手術になった」「胸の違和感を訴えてクリニックに行ったが、心電図に波形の乱れがないからと整腸剤を出された」。

なぜ、心電図異常なし胸の違和感という食い違いが医療現場で頻発するのでしょうか。第一線の循環器専門医が証言するように、一般健診で実施される12誘導心電図は、わずか10秒から数十秒の静止状態を切り取った「スナップ写真」に過ぎません。検査を受けているその瞬間に発作が起きていなければ、血管にどれほど高度な狭窄があろうとも波形は正常のまま記録されます。

特に危険なのが、脈が不規則に乱れる不整脈のケースです。心房細動などの不整脈は発作性に出現することが多く、通常の心電図検査の網の目をすり抜けます。患者の闘病手記を分析すると、「動悸が始まってから数分で収まるため、病院に着いた頃には何事もなかったかのように正常に戻ってしまう」というジレンマに直面している実態が浮き彫りになります。

ここで知っておくべき不整脈危険なサインは、動悸に伴って「意識が遠のく」「目の前が真っ暗になる」「脱力して倒れ込む」といった脳虚血症状の有無です。これらは心臓が血液を送り出せなくなる致死性不整脈(心室細動や高度房室ブロック)の兆候であり、突然死の直接的原因となります。健診結果が「異常なし」であったとしても、身体に明確な違和感や息切れが存在するなら、決して自己判断で安心せず、運動負荷心電図や24時間ホルター心電図検査を受けられる専門医の門を叩かなければなりません。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。