シングル盤としての『風の詩を聴かせて』を語る上で欠かせないのが、同時収録されたカップリング曲の存在です。2曲目に収録された『NUMBER WONDA GIRL 〜恋するワンダ〜』は、アサヒ飲料のCMソングとしても話題を集めた痛快なアメリカン・ロックンロールナンバーであり、表題曲の静けさとは鮮やかなコントラストを描いています。
さらに3曲目にはフジテレビ系『めざましテレビ』のテーマ曲となった『MY LITTLE HOMETOWN』が収録され、1枚のシングルの中で桑田佳祐の多面的な音楽性が完璧にパッケージされていました。哀愁のバラード、遊び心全開のガレージロック、郷愁を誘うポップスという三者三様の展開は、シングル作品としての完成度を極限まで高めています。
収録アルバムの遍歴にも注目すべき点があります。2011年にリリースされたオリジナルアルバム『MUSICMAN』には、アルバム全体のコンセプチュアルな統一感を優先した結果、シングル表題曲でありながら未収録となりました。その後、2012年のソロベストアルバム『I LOVE YOU -now & forever-』や、2022年のベスト盤『いつも何処かで』に堂々収録され、桑田佳祐のソロ代表曲としての地位を不動のものにしています。