単行本新刊を語る上で欠かせないのが、現在進行形で描かれている「遠征選抜試験編」の濃密なドラマです。これまでの大規模侵略編やB級ランク戦で見られたアクション主体のバトルから一転、シャッフルされた臨時部隊による極限の協調性・判断力テストが描かれています。
物語の中心となる閉鎖環境試験 順位の推移は、読者の予想を常に裏切る緻密さで設計されています。特に注目を集めているのが以下の部隊動向です。
- 諏訪7番隊(三雲修・香取葉子・若村麓郎・隠岐孝二・宇井真央):序盤はトラブルや課題の遅れで苦戦を強いられるも、三雲修の泥臭いアイデアと諏訪隊長の的確なリーダーシップ、香取の爆発的な戦闘センスが噛み合い、中盤以降に劇的な追い上げを見せる。
- 水上9番隊(水上敏志・荒船哲次・樫尾由侘加・照屋文香・今結花):隊長・水上の「試験の全容を一人で抱え込み、他メンバーに課題へ集中させる」という奇策が功を奏し、序盤の総合得点で圧倒的1位を独走。その後の情報開示をめぐるチーム内の信頼関係の揺らぎがスリリングに描かれる。
- 二宮8番隊(二宮匡貴・雨取千佳・絵馬ユズル・東春秋):千佳の抱える精神的課題(人を撃てないトラウマと遠征への覚悟)に対し、二宮や東が静かに、かつ厳しく向き合う心理的成長のドラマ。
作中で展開される「特殊戦闘シミュレーション演習」は、まるで本格的なターン制戦略ボードゲームを観戦しているかのような情報量とロジックで構築されています。ワールドトリガー 最新話 感想が毎月のように熱狂的な考察で埋め尽くされる理由は、すべての行動・敗北・勝利に明確な理由と伏線が存在する圧倒的なストーリーテリングにあります。