大型商業施設やディスカウントストアが林立する流通構造の中で、個人経営の精肉店が生き残るハードルは年々高まっています。しかし、金井精肉店に足を運ぶと、そこには数字の効率化だけでは決して代替できない強固な信頼関係が存在しています。
最大の人気の理由は、「肉のプロが目利きした素材を惜しみなく使う惣菜づくり」にあります。スーパーの大量生産品とは異なり、精肉のトリミング(整形処理)で出る上質な端肉を惜しみなくミンチやラードに活用。肉本来の旨味とコクが衣の中に閉じ込められており、調味料に頼りすぎない素朴で力強い味わいを実現しています。
さらに、注文を受けてからその場で揚げる「揚げたて主義」を頑なに貫いている点も特筆すべき要素です。ショーケース越しに交わされる「今日は何個揚げる?」「あと5分待ってね」といった店主やスタッフとの心地よいコミュニケーションは、単なる購買行動を超えた温もりを提供しています。