人間の頭部の重さは成人で約5〜6kg(体重の約10%)あり、これはボウリングの球(11〜13ポンド)に匹敵します。正常な状態であれば、緩やかな「C字カーブ」を描く頸椎がスプリングの役割を果たし、この重量を分散して支えています。
しかし、画面を覗き込むように頭部が前方に傾くと、首にかかる負荷は急激に増大します。頭が30度前傾するだけで首には約18kg、60度傾くと約27kgもの強烈な負荷がかかり続けます。この過負荷を支えようと、首の前面にある「胸鎖乳突筋」や後頭部の付け根にある「後頭下筋群」が異常に緊張し、やがて筋膜が癒着して固まることでストレートネックが完成します。
『ためしてガッテン』の検証が画期的だったのは、単に「首を揉む」ことの危険性を指摘し、首の深層筋肉をリセットして首の生理的湾曲を取り戻す重要性を科学的に証明した点にあります。