F-35が単なるステルス攻撃機にとどまらず、第5世代戦闘機のゲームチェンジャーと呼ばれる最大の理由が「センサーフュージョン(複合センサー情報統合技術)」と強大な電子戦能力です。
F-22が開発された1990年代は、コックピット内の複数の計器やレーダー画面をパイロットが自らの頭脳で統合・判断する必要がありました。しかし、F-35は機体各所に配置されたAPG-81 AESAレーダー、EOTS、そして全周360度を常時監視するDAS(分散開口システム)からの情報をAIライクな高速プロセッサが一元処理。パイロットのヘルメット装着型ディスプレイ(HMD)に、脅威度や敵味方識別をグラフィカルに瞬時投影します。
さらに、F-35専用の高秘匿データリンク「MADL(多機能先進データリンク)」により、編隊内のF-35同士は電波を発信することなく敵の位置情報を共有可能。1機がレーダーを完全に切った状態で潜航し、後方の僚機が探知したターゲットに対してミサイルを誘導するといった戦術が標準化されています。この電磁スペクトル戦(EW)における情報優位性こそが、純粋な飛行速度や運動性で劣るF-35がF-22を出し抜く最大の武器となっています。