中継画面でタレントランナーの斜め後ろを走り続ける伴走スタッフ。ユニフォームに身を包んだ彼らの姿を見て、「日本テレビの制作ADや若手社員が走っているのでは?」と想像する視聴者も少なくありません。しかし、その正体は市民ランナーやテレビ局員ではなく、国内屈指の実績を持つプロのランニング指導員および実業団・箱根駅伝経験者たちです。
この伴走チームを統括・派遣しているのが、神奈川県大磯町に拠点を置く株式会社ランナーズ・ウェルネスです。同社は、1992年にスタートした24時間テレビマラソンの初代立ち上げメンバーであり、名トレーナーとして知られる坂本雄次トレーナーが代表を務めてきたスポーツプロデュース企業。湘南国際マラソンなどの大規模大会を手掛ける運営のプロフェッショナル集団であり、所属スタッフは日常的にフルマラソンやウルトラマラソンを完走する超人的な身体能力を備えています。
では、なぜ彼らが選ばれるのか。単に「速く走れるから」という理由だけでは、過酷な伴走スタッフは務まりません。現場関係者の証言によると、選定には以下の3つの厳格な条件が課されています。
- 精密なペース感覚:疲労困憊したランナーの体調に合わせて、1キロあたり数秒単位でペースを微調整できる「人間メトロノーム」としての体内時計。
- 微細な異変を察知する観察眼:ランナーの呼吸音の乱れ、視線の揺らぎ、発汗の停止といった熱中症や脱水の初期シグナルを即座に見抜く医学・トレーナー視点。
- 動く防波堤としての警備能力:沿道から飛び出してくる熱狂的なファンや不審者をブロックし、ランナーの走行ラインを物理的に確保するボディーガードとしての冷静な空間認知力。
伴走スタッフ歴代メンバーには、名門大学駅伝部で活躍した選手やウルトラトレイルの猛者たちが名を連ねており、彼らはタレントの命と番組の成功を両肩に背負う「走るリスクマネジメント部隊」として機能しています。