「ハグロトンボは絶滅危惧種なのか?」という疑問に対しては、「一部の都道府県のレッドデータブックにおいて、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている」というのが正確な答えです。環境省が指定する全国規模のレッドリストには入っていませんが、地域個体群の危機は深刻化しています。
例えば、都市化と開発が著しい東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県などの南関東エリアや、一部の東北・北陸地方の自治体では、レッドデータブックの「準絶滅危惧(NT)」や「情報不足(DD)」、地域独自の注目種に選定されています。護岸工事によって岸辺の水草が失われたり、農薬や生活排水による水質悪化が進むと、ハグロトンボは真っ先に姿を消してしまうためです。水質環境のバロメーターとしても、非常に繊細な生態を持っています。