寺島しのぶの経歴に関して、ネット上では「大物俳優の娘だから最初から役が用意されていた」「苦労知らずのエリートコース」という誤解が散見されますが、実際の取材記録や現場の証言は真逆の事実を示しています。
実際には、名門の家柄であるがゆえに劇団内では周囲から余計に厳しい視線を注がれ、民放ドラマの安易なオファーを断って文学座のオーディションに匿名同然で臨むなど、自らあえて茨の道を選択していました。彼女の若い頃を間近で見ていた演出家や共演者は口を揃えて、「誰よりも稽古場に早く入り、泥だらけになって台本を読み込んでいた」と証言しています。
恵まれた環境に甘んじることなく、むしろ自らの出自を呪縛と感じてそこから脱却しようともがき続けた努力こそが、30代以降の爆発的な評価へとつながったのです。