腎臓は、体内の老廃物や余分な水分を尿として排泄し、電解質バランスや血圧を調整する極めて重要な臓器です。慢性腎不全が進行して末期腎不全(CKDステージ5)に達すると、これらの機能は失われ、人工透析を行わなければ尿毒症に陥って生命を維持できません。
身体障害者福祉法に基づく「身体障害者障害程度等級表」において、腎臓の疾患は「内部障害」の区分に位置づけられています。一般的な身体障害認定では、検査数値(内因性クレアチニンクリアランス値やeGFR、血清クレアチニン値など)と日常生活動作の制限度合いによって1級から4級まで判定されますが、「慢性透析療法を実施している場合」は、医学的に腎機能が不可逆的に喪失していると判断され、一律に最も重い「1級」に認定されます。
ここで重要なのは、透析の手法による等級の差が存在しない点です。週3回・各4〜5時間かけて病院の透析ベッドで行う血液透析(HD)だけでなく、自宅や職場で腹膜を介して透析液を交換する腹膜透析(PD/CAPD)を選択した場合でも、等しく身体障害者手帳1級の交付対象となります。「自力で歩行できる」「外見上は何の不自由もない」といった外見上の状態とは無関係に、人工透析という生命維持装置なしでは生存できない状態そのものが、法的に高度な障害(1級)として位置づけられているからです。