食事をとったあと、急激な眠気や倦怠感に襲われた経験はないだろうか。それはまさに「血糖値スパイク」と呼ばれる、血中グルコース濃度の急激な乱高下が起きている証拠だ。血糖値が急上昇する理由は、体内に取り込まれた糖の「吸収スピード」と「分子の単純さ」にある。
食事から糖質が入ってくると、小腸でブドウ糖に分解されて血液中に流れ込む。このとき、分子の小さい単糖類や二糖類(糖類)は分解の手間がほとんどかからないため、一気に血管内へ雪崩れ込む。血中の糖濃度が急上昇すると、膵臓(すいぞう)は危機を感知し、血糖値を下げるためにインスリンを大量に分泌する。このインスリンには「余った血中グルコースを中性脂肪に変えて脂肪細胞に溜め込む」という強力な同化作用がある。急上昇した血糖値がインスリンによって急降下する際、強い空腹感やイライラが生じ、さらなる糖分を欲するという負のスパイラルが形成されるのだ。
とくに警戒すべき「肥満を招く糖類の種類まとめ」として、日常の食品に潜む代表格を整理した。
1. 果糖ブドウ糖液糖(高果糖液糖・異性化糖)
トウモロコシなどのデンプンを酵素処理して作られる人工的な液状糖。清涼飲料水やドレッシング、めんつゆに多用されている。構造が単糖類の混合物であるため、消化管での分解を必要とせず数分で吸収される。さらに果糖(フルクトース)は血糖値を直接上げにくい反面、肝臓で直接代謝されて超悪玉コレステロールや中性脂肪に直結し、脂肪肝(NAFLD)の主因となる。
2. 白砂糖・グラニュー糖(ショ糖)
精製過程でミネラルやビタミンを完全に削ぎ落とされたショ糖。純度が高すぎるため、小腸のスクラーゼという酵素で一瞬にしてブドウ糖と果糖に解離し、劇的な血糖値スパイクを引き起こす。
3. 濃縮還元フルーツジュースに含まれる果糖
「果汁100%」という健康的な響きに騙されてはならない。果物本来の食物繊維が絞りカスとして取り除かれているため、液体となった果糖は清涼飲料水とほぼ同等のスピードで吸収される。
体内でどのように代謝され、インスリンをどれだけ刺激するか――この動態を無視して単なる「カロリー計算」だけで食事を管理しようとすると、確実に代謝の罠に足元をすくわれることになる。