語り継がれるルーツは、長野県千曲市周辺の「さらしな(更級)」の地名に行き着く。江戸時代、保科家の加護を受けた信州の職人が麻布に店を構え、大名屋敷や大奥へと献上したことで「更科」の名は一躍天下に轟いた。
現在、東京の麻布十番に拠点を置く「総本家更科堀井」をはじめとする名門たちは、伝統の製法を頑なに守る一方で、若者や外国人旅行者に向けた新たなアプローチにも柔軟だ。店内には多言語に対応したデジタル解説が用意され、手打ちの工程を間近で見学できるオープンキッチンスタイルの店舗も増えた。老舗でありながら変化を恐れない姿勢が、現代のファン層を拡大し続けている。