なぜ、あのポーズはこれほどまでに私たちの目を奪うのか。整形外科医やスポーツトレーナーたちが骨格モデルを用いて解析を試みたところ、驚くべき事実が浮かび上がってきた。多くの代表的なポーズにおいて、骨盤の傾斜角と胸椎の回旋角度が物理的な関節の可動域を上回っているのだ。
「解剖学的には明らかに破綻しています。しかし、その破綻こそが人間の脳に強烈な違和感と美的な興奮を与えるのです」と、ある運動生理学者は語る。古典的なミケランジェロの彫刻が持つコントラポスト(重心の不均衡による躍動感)を極限まで誇張・歪曲させた姿勢は、不自然だからこそ美しいという逆説的な快感を生み出している。