なぜこれほどまでに崩れ方に違いが出るのか。皮脂崩れの根底にあるのは、皮脂分泌の過剰反応だ。気温上昇や皮脂腺の活性化によって溢れ出た油分が、ベースメイクの塗膜を溶かし、皮脂とファンデーションが混ざり合って流動化してしまう。
一方で、乾燥崩れは肌の水分保持機能の破綻から始まる。資生堂の研究領域でも知られるように、皮膚のバリア機能が低下すると角層から水分が急速に蒸散する。すると肌は自らを守ろうとして縮み、その上に密着していたメイク膜を引きちぎってしまうのだ。これが、夕方に現れるパキパキとしたひび割れの正体である。
日本化粧品工業連合会の技術資料においても、皮脂耐性と保湿機能の両立は製剤における最大の課題として掲げられてきた。油分で流れているのか、水分不足で破綻しているのか。このメカニズムの違いを理解することが、根本解決への第一歩となる。